抄録
乳癌症例,健常例におけるCA15-3を測定し,臨床的な有用性,限界について検討した.健常例のデータより, cut off値は20ng/mlとした.しかしcut off値についてはいろいろな報告があり,多数例にもとづいて再検討する必要があると思われた.乳癌症例のデータからは,原発乳癌例における陽性率はあまり高くなく(5.9%),術前の補助診断法としての有用性は低いと思われた.しかし乳癌術後再発例では高い陽性率(81.6%)を示し,術後のモニタリングには有用と思われた.一方,再発の早期発見という点になると,まだsensitivityが低いように思われた.
CA15-3は他の腫瘍マーカーとの相関は低く, CA15-3を含めた複数のマーカーとの組み合わせによって,診断率の向上が期待された.