抄録
胆管拡張のない膵胆管合流異常の診断は時として困難であり,治療についても,併存する胆嚢病変に対する治療のみで経過を観察すれば良いとする意見と,分流手術が必要であるとする意見があり,統一した見解はない.
最近我々は,胆摘術後5カ月めに無石化膿性胆管炎と急性膵炎,更にその7カ月後にprotein plugによる閉塞性黄疸を発症し,胆管拡張のない膵胆管合流異常と診断,分流手術により治癒せしめた症例を経験した.本例の胆管径は8mm,共通管は10mmと共に正常範囲であった.総胆管が膵管に逆T字状に合流し,胆道造影で膵管が容易に描出されたこと,高アミラーゼ胆汁がみられたことなどから,本例は古味の提唱する膵胆管合流異常-中間型-と診断した.
胆管拡張のない膵胆管合流異常の治療方針としては,本例のように胆管炎,膵炎,黄疸等の合併症を繰り返す場合,分流手術を適応とすべきである.