抄録
胃切除後に生じた胆石症に関し検討を行った. 1982年から1986年の5年間に,胃癌に対して胃切除を施行し,画像診断によるfollow upが2年以上なされた症例のうち,再発例を除いた127例に関し臨床的検討を行った.経過中に胆石を生じたものは16例(12.6%)であり,男女比は12: 4,発見までの経過は, 1年以内3例, 1年から2年3例, 2年から3年5例, 3年から5年2例, 5年以上3例で,最短4カ月から最長8年1カ月であった.胃の切除術式は,幽門側切除5例,全摘10例,噴門側切除1例,郭清度は, R1 1例, R2以上15例,再建術式は, Billroth II法5例,胃空腸吻合(Roux-en-Y) 10例,食道残胃吻合1例であった.結石の存在部位は,胆嚢内のみ13例,総胆管内のみ2例,両者1例であり,総胆管結石の頻度が高かった.胃切除後胆石症は男性に多い傾向にあり,有意に全摘例に多く,その23.2%を占めた.全摘例では,予防的胆嚢切除も考慮すべきと考えられた.