日本臨床外科医学会雑誌
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穿刺吸引細胞診で確診しえた最小乳癌の1例
広岡 保明西江 浩松井 孝夫村田 陽子浜副 隆一貝原 信明堀江 靖
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1992 年 53 巻 12 号 p. 2926-2928

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抄録

術前の穿刺吸引細胞診で腺癌と診断され,根治手術が施行された最小乳癌の一例を報告した.症例は37歳,女性.左乳房内下方に小指頭大の腫瘤を触知したため当科外来を受診した.視・触診ならびにマンモグラフィー,エコー等の検査では良悪性の鑑別はできず,乳腺腫瘤としか診断されなかったが,穿刺吸引細胞診で腺癌と診断された.手術としては非定型的乳房切断術(Patey法)が施行された.組織学的には乳管内に限局した1.8×1.5mm大の非浸潤性乳管癌であった.穿刺吸引細胞診は最小乳癌に対しても有用な検査法であると考えられた.

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