日本臨床外科医学会雑誌
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大腸粘液癌の臨床病理学的検討
田中 千凱大下 裕夫深田 代造
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キーワード: 大腸粘液癌, 大腸癌予後
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1088-1092

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抄録
大腸粘液癌症例は大腸癌切除例569例中の24例, 4.2%にみられた.このうち臨床病理学的事項が詳細に判明している21例と,最も多い高分化腺癌335例とを対比しつつ臨床病理学的に検討した.
粘液癌は結腸に多く発生し,特に右側結腸に有意に多く認められた(p<0.01), stageの進行した症例が多く,壁深達度はs(a2)とsi (a1)症例の頻度が有意に高く(p<0.01),リンパ節転移陽性率47.6%は高分化腺癌よりも高率であり,リンパ管侵襲率100%は有意に高率であった(p<0.05).
5年生存率は,全例では54.6%,治癒切除例では63%であり,いずれも高分化腺癌に比べ有意ではないが,低率であった.
以上の特徴を考慮して,その手術は広範なリンパ節郭清と病変周囲組織の十分な切除が必要と考えられた.
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