日本臨床外科学会雑誌
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術前注腸造影検査で診断し待期腹腔鏡下修復術を行った閉鎖孔ヘルニアの1例
飯野 善一郎大谷 剛正高橋 毅吉田 宗紀比企 能樹柿田 章
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1998 年 59 巻 2 号 p. 565-569

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抄録

軽度の腹部症状のうちに閉鎖孔ヘルニアと診断され,待期的に腹腔鏡下ヘルニア修復術を行った症例を報告する.症例は65歳女性,慢性胃炎にて通院中,食後に腹満感と便意をもよおすようになり,注腸検査を行ったところ閉鎖孔ヘルニアと診断された.ヘルニア内容はS状結腸で,充影像にてRichter型のヘルニアを認めたが空気注入後,この所見は消失した.閉鎖孔ヘルニアの診断にて待期的にメッシュを用いて腹腔鏡下ヘルニア修復術を行った.閉鎖孔ヘルニアはイレウスで発見され緊急手術となる症例が多く,待期手術が可能な症例は稀である.反対側の閉鎖孔ヘルニアや他のヘルニアの合併も多いため,腹腔鏡下ヘルニア修復術は非常に有用な術式と考えられる.腸閉塞に至ると患者が高齢な為,重症化することも多い.軽度の腹部症状の患者も本疾患を念頭におき早期診断に努めることが重要である.

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