日本臨床外科学会雑誌
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ヘリカルCT検査が診断に有用であった3点式シートベルトによる小腸穿孔の4例
西岡 将規笠松 哲司宮内 隆行倉立 真志矢田 清吾
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2000 年 61 巻 3 号 p. 665-669

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抄録
ヘリカルCTが診断に有用であった3点式シートベルトによる小腸穿孔の4例を経験したので報告する.症例1:79歳,女性.ヘルカルCT検査で微量の腹腔内遊離ガス像を認めた.穿孔部は回腸末端より220cm口側であった.症例2:55歳,男性.ヘリカルCT検査で腹腔内液体貯留と腹腔内遊離ガス像を認めた.穿孔部は回腸末端から160cm口側であった.症例3:22歳,男性.ヘリカルCT検査,胸腹部単純X線写真で腹腔内遊離ガス像を認めた.穿孔部はトライツ靱帯より30cm肛側であった.症例4:61歳,男性.ヘリカルCT検査で液体貯留と腹腔内遊離ガス像を認めた.穿孔部はトライツ靱帯より180cm肛側であった.全例に穿孔部縫合閉鎖を施行し,予後は良好であった.小腸穿孔の場合,腹腔内遊離ガスは微量であり,発症早期の検出にはヘリカルCTが有用であった. 3点式では小腸穿孔を生じることがあり,今後4点式, 5点式シートベルトを考慮する必要があると思われた.
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