抄録
症例は81歳,女性.平成12年7月17日に胃外発育型の粘膜下腫瘍に対し手術を施行した.腫瘍は13cm大の多房性の腫瘍で,体中部大彎後壁と径1.5cmの茎部で連続していた.周囲臓器への浸潤所見は認めなかった.腫瘍茎部起始部の胃壁の一部を含めた腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的検査で胃gastrointestinal stromal tumor (以下GIST)と診断された.術後2年1カ月目,腹部CTで体中部大彎後壁に径4cm大の腫瘤と,腹腔内に径6cm大の腫瘤を認めた. GISTの胃壁内再発,腹膜播種と診断し平成14年9月5日,胃部分切除と横行結腸切除を施行した.初回手術時の術中操作による腫瘍腫胞の散布や切除面の腫瘍細胞遺残により,壁内再発や播種性転移をきたしたと考えられた.胃外発育型GISTに対して術中できるだけ腫瘍を把持せず,周囲の正常組織を含んだ胃壁の全層切除が必要である.