日本臨床外科学会雑誌
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腹腔鏡補助下に病変の同定と切除を行った出血性回腸脂肪腫の1例
佐藤 美信藤崎 真人高橋 孝行千葉 洋平丸田 守人前田 耕太郎
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2003 年 64 巻 4 号 p. 883-887

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抄録
小腸腫瘍は稀だが,発症時には診断および治療に難渋することが多い.著者らは下血で発症し,腹腔鏡下に病変を確認し,切除しえた回腸脂肪腫の1例を経験したので本邦報告例の集計と共に報告する.症例は75歳,女性で,大量の下血を主訴に救急車にて搬送された.患者は半年前にも同様の症状で入院,精査が行われていた.大腸内視鏡検査で回腸よりの出血が疑われたが,小腸造影, CTなどでは原因病変を指摘できなかった.その後も大量の出血を間歇的に認めたため,原因疾患の検索と治療を目的に腹腔鏡下に腹腔内観察を施行した.バウヒン弁から約90cm口側の回腸に漿膜に異常はないが,他の部位に比べ膨隆した所見を認め,回腸腫瘍と診断し,腹腔鏡補助下に回腸部分切除術を施行した.病変は2.5×2.1×3.5cmの亜有茎性,黄色調の腫瘍で,頂部に潰瘍を認め,組織学的に脂肪腫と診断された.経過は良好で,術後4年経過した現在まで出血はなく健存中である.
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