日本臨床外科学会雑誌
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悪性顆粒細胞腫様の脱分化を示した小腸腸間膜および後腹膜脂肪肉腫の1例
松本 昌久丸田 守人前田 耕太郎古賀 崇黒田 誠
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2003 年 64 巻 4 号 p. 995-998

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抄録
脂肪肉腫の一部が,悪性顆粒細胞腫様の脱分化を示した稀な症例を経験したので報告する.症例は84歳の女性で,腹部膨満を主訴とし,卵巣腫瘍の疑いで手術が施行された.小腸腸間膜に約10cm大で黄色調の腫瘍Aと後腹膜に約15cm大で内部に出血壊死を伴う腫瘍Bを認め,両腫瘍に連続性はなかったため別々に摘出手術を施行した.術前のCT, MRI検査でも,二つの腫瘍A, Bが認められ内部構造が異なっていた.組織所見では,腫瘍Aは胞体内に大小の脂肪空胞を有し,異型lipoblastの増生がみられる高分化型脂肪肉腫の像であった.一方,腫瘍Bは,ジアスターゼ消化性PAS陽性の好酸性顆粒を有し,脂肪染色陰性で悪性顆粒細胞腫様の像を示したが,その辺縁に脂肪組織の異型細胞が認められたことから,多発性高分化型脂肪肉腫が悪性顆粒細胞腫様に脱分化した脂肪肉腫と考えられた.
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