抄録
全国一般病院血液医師の会参加関東地方14施設で最近10年間に経験した薬物性血液障害78例について検討すると,確診例は23例29.5%で,薬剤が特定できなかった例が8例10.3%あった。原因薬剤では,最も多いのは抗生剤で全体の4割を占め,その内訳はcephem系が21例と最も多かったが,以前多見されたchloramphenicolは1例もなかった。消炎鎮痛剤も12例15.4%認められた。予後をみると,9例11.5%が薬剤性血液障害が原因または誘因で死亡し,また50日以上の遷延例も8例10.3%に認められた。発生頻度の検討では,H2受容体阻害剤(H2RA)による血液障害は外来患者では認められなかったが,入院例54例についてH2RA使用例における血液障害の頻度を検討したところ,2例3.6%に血液障害別を認めた。抗生剤による血液障害の頻度は第3世代cephem系が使用されてから増加した。薬剤性血液障害例は新薬の登場と共に変化し,また頻度も実際はもっと多いと考えられる。