抄録
造血器腫瘍の骨病変と高Ca血症におけるPICP, ICTP, C-PTHrPの臨床的意義について検討した。血中ICTP値は骨病変,高Ca血症においてMM, NHL, ATLのいずれにおいても高値を示した。その中でもATLはMM, NHLと比べ有意差を認めた。血中C-PTHrP値は高Ca血症の有無で差を認めたが,特にATLはMM, NHLと比べて有意の著しい高値を示した。しかしながら,ATLにおいて骨病変の有無で差は認めなかった。ICTPとC-PTHrPとの間でMM, NHLでは相関が認められず,ATLにおいて相関傾向が認められた。MMにおいてICTPはβ2-MG, 生存期間と関連性が認められた。以上より,ICTPは特にMMの骨病変の骨吸収マーカーとして有用性が高いと考えられた。ATLの高Ca血症の原因はHHMと考えられMM, NHLとの骨代謝の相違が示唆された。造血器腫瘍における骨病変と高Ca血症の診断と病態把握のための簡便なマーカーとしてICTPとC-PTHrPは有用であると考えられた。