抄録
HLA一致同胞を持たない小児35例に対して,HLA不一致血縁者から同種骨髄移植を施行した。ドナーは父母18例,同胞14例,その他3例で,HLA一致度では表現型一致12例,1座不一致17例,2座以上不一致6例であった。35例中32例においてTBIを含む前処置を行い平均4.09×108/kgの無処理骨髄細胞を移植した。GVHD予防にはMTX+短期CsAを投与し,15例にATGを加えた。早期死亡2例を除き33例中28例が生着(84.8%)した。5例が拒絶されそのうち4例が非腫瘍性疾患であった。II度以上の急性GVHDは48.4%に認め,HLA一致同胞ドナーからの移植と比較し有意に高頻度であり(p<0.01), GVHDによる死亡は3例(8.8%)であった。HLA表現型一致例と1座不一致例ではGVHDの出現頻度に差はなかった。MLCの結果によるII度以上のGVHDの頻度は陽性例60.0%, 陰性例28.6%と差を認めた。また,ATG投与例ではGVHDは軽度であった。全体の無病生存率は40.8±8.5%であった(腫瘍性疾患(N=22); 32.9±10.5%, 非腫瘍性疾患(N=13); 53.8±13.8%)。HLA表現型1座不一致までの血縁者からの無処理骨髄移植はGVHDが重症化するものの予後不良な疾患に対しては有効な治療法と考えられる。