抄録
症例は60歳,女性。1993年6月,紫斑を主訴に入院しAML with trilineage myelodysplasia, M2と診断された。G-CSF併用Ara-C少量療法を行いpartial remissionに到達。その後,G-CSF併用Ara-C少量療法,BHAC+ACR, BHAC+DNRを行ったがCRに到達しなかった。1994年10月,白血球数,芽球数,赤芽球数が増加し,BHAC+MXT, BHAC+ACR, Ara-C中等量療法を行ったが不応性となり,12月に敗血症性ショック,肺炎,心不全で死亡した。初診時の核型分析は46, XX, t(3;5)(q21;q31), 1994年1月には付加的異常としてX染色体の欠失を新たに認めた。初診時と1993年11月の骨髄細胞よりDNAを抽出し,polymerase chain reaction-single strand conformation polymorphism法にてp53遺伝子の解析を行ったところ,後者の検体でp53遺伝子,exon 6, codon 220にTATからTGT(TyrからCys)への一塩基置換を認めた。経過中,染色体の核型進展,p53遺伝子の異常とともに病型進展を認め,相互の関連が考えられた。