臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例
涙滴赤血球を伴う著明な溶血性貧血が初発症状であったウイルソン病
川原 誠司森本 幸治中沢 弘企熊谷 理夫斎藤 孝相川 真吾壷井 功沢田 海彦堀江 孝至
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 39 巻 9 号 p. 665-669

詳細
抄録
症例は16歳女子。1995年11月,溶血性貧血の精査目的で入院となった。Hb 9.1 g/dl, RBC 272×104l, 網赤血球89‰, 総ビリルビン1.46 mg/dl, LDH 812 IU/l, ハプトグロビンは10 mg/dl以下,末梢血液像で多数の涙滴赤血球や少数の有棘赤血球などの赤血球形態異常を認めた。GOT 71 IU/l, GPT 44 IU/l, ヘパプラスチンテスト45%と肝機能障害を認めたため,さらに検索を行った結果血清銅43 μg/dl, セルロプラスミン4 mg/dlと低下し,尿中銅排泄量は345 μg/日と上昇を示した。両眼にカイザー・フライシャー輪を認め,肝生検標本中の銅含有量は湿重量183 μg/g, 乾重量535 μg/gと増加していた。患者は2人姉妹で,妹に同様の代謝異常を認めた。以上の結果より,本症例の溶血性貧血の原因はウイルソン病における銅代謝異常によるものと考えられた。
著者関連情報
© 1998 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top