抄録
症例1は81歳男性。2007年7月に貧血を主訴に受診し骨髄線維症と診断。月4単位程度の赤血球輸血で経過観察していた。2009年6月より輸血後鉄過剰症に対しデフェラシロクス(DSX)の内服を開始し,投与4ヶ月後より貧血の著明な改善を認め,輸血より離脱。以後現在までヘモグロビン13g/dl程度を維持している。症例2は70歳女性。骨髄異形成関連の変化を有する急性骨髄性白血病に対し月4単位程度の赤血球輸血で経過観察していた。2010年1月より輸血後鉄過剰症に対しDSXの内服を開始し,投与2か月後より貧血の改善を認め,輸血を離脱。また投与開始後5ヶ月で末梢血中の芽球の消失と共に白血球数および好中球数の正常化を認めた。本症例のように鉄キレート療法により長期に輸血非依存状態を維持している症例並びに芽球の消失を認めた症例は極めて稀であり,作用機序の解明と共に今後の症例の蓄積と検討が必要と考える。