臨床血液
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特集:臨床血液学 ―最新情報と今後の展望2016(赤血球系疾患)―
先天性造血不全症
奥野 友介
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2016 年 57 巻 2 号 p. 98-103

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抄録
先天性造血不全症は多様な原因遺伝子を有する疾患群である。原因遺伝子の多さと大きさが足かせとなって,遺伝学的な解析には困難が伴っていたが,近年の次世代シーケンサーの進歩により,網羅的な原因遺伝子の検索が可能となった。我々の研究班では,先天性造血不全症症例のうち,従来の遺伝子検査では遺伝子診断が得られなかった症例について全エクソーム解析を行い,ダイアモンド・ブラックファン貧血におけるRPS27RPL27遺伝子,ファンコニ貧血におけるFANCT遺伝子等の,新規原因遺伝子を発見した。また,189遺伝子を網羅的に解析できるターゲットシーケンス解析のシステムを構築し,小児血液疾患の臨床における遺伝子診断に貢献している。本稿では,次世代シーケンス解析に基づく先天性造血不全症の新規原因遺伝子の発見と,今後の先天性造血不全症における遺伝子診断のあり方を中心に概説する。
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© 2016 一般社団法人 日本血液学会
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