2019 年 60 巻 8 号 p. 960-967
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes, MDS)は,造血不全・異形成に特徴付けられる不均一な疾患である。低リスク群では,慢性的な経過をとることが多い一方,高リスク群の予後は不良であり,造血幹細胞移植が唯一の根治的治療である。しかしながら,造血幹細胞移植は,移植関連死亡率も高く,適応は慎重に判断する必要がある。移植症例の予後改善のためには,移植前の正確な予後予測が肝要である。近年,MDSのゲノム異常に関する知見は目覚ましい進歩を遂げており,その全貌が明らかになりつつある。これらゲノム異常の移植症例における影響も評価されている。臨床情報が移植症例の予後の約70%を規定しているが,残りの30%をゲノム異常が規定しており,従来の臨床指標に加え,ゲノム情報も勘案し,予後予測することが今後有用になってくるであろう。