臨床血液
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JSH-ASH Joint Symposium (Symposium 9)
多発性骨髄腫におけるCAR-T細胞療法の展開
後藤 秀樹
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2022 年 63 巻 6 号 p. 580-588

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抄録

新規薬剤の登場により,多発性骨髄腫の治療成績は飛躍的に向上している。一方,現状では治癒を得ることは困難な疾患であり,各種治療に抵抗性となった症例の予後は極めて不良である。近年,治療に難渋する多発性骨髄腫を対象としたキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T-cell, CAR-T細胞)療法の臨床試験が進められ,2021年3月に米国FDAは,再発または難治性の多発性骨髄腫に対するBCMA標的CAR-T細胞療法として,idecabtagene vicleucel(ide-cel)を承認した。本邦においても2021年12月にide-celが保険承認され,間もなく多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法を日常診療で使えるようになる。本稿では,多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法について最新のエビデンスをもとに概説する。

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© 2022 一般社団法人 日本血液学会
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