臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
好酸球増多と器質化肺炎を呈したder(1;7)(q10;p10)を伴う骨髄異形成症候群
小村 綾, 廻 勇輔, 松原 千哲, 藤原 英晃, 湯川 椋也, 林野 健太, 中村 真, 吉田 親正, 山本 和彦, 松岡 賢市, 藤井 伸治, 前田 嘉信, 今城 健二
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 64 巻 7 号 p. 619-625

詳細
抄録

不均衡転座der(1;7)(q10;p10)は骨髄異形成症候群(MDS)における特徴的な染色体異常の一つである。症例は63歳男性で,発熱と肺炎を呈して当院を受診し,46,XY,+1,der(1;7)(q10;p10)を持つMDSと診断された。肺炎は気管支鏡検査により器質化肺炎(OP)と診断した。第30病日には好酸球39%に上昇し,発熱や呼吸困難が増悪し,好酸球増多に伴う全身性紅斑が出現したため,副腎皮質ステロイドとazacitidineによる治療を開始した。一時的に好酸球増多やOPは制御できたが,骨髄芽球数や末梢血WT1-mRNA値は増加に転じ,娘をドナーとしてHLA半合致末梢血幹細胞移植を施行した。der(1;7)(q10;p10)は,-7/7q-といった予後不良群と比較し生存期間が長いとされる一方で,多彩な合併症が致命的になると報告されている。好酸球増多とOPを同時に合併した症例報告はなく,本症例は合併症の制御がなされている間に速やかな同種移植が必要であると示唆する症例であったため報告する。

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top