河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
河川上流部における超過洪水用分散型遊水地の提案と阿武隈川を対象とした試算
妹尾 泰史石川 忠晴
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2022 年 28 巻 p. 439-444

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抄録

近年の豪雨災害の頻発化と今後の全球的気候変動に備えるため,河道容量を超える洪水(以下では超過洪水)に対処するための新たな治水計画手法が模索されている.超過洪水に対しては河川氾濫を縦断的に分散して水害を軽減することが重要になるが,一般的には,人口・資産密度の低い上流域氾濫原での遊水によるピーク流量低減が効果的であると考えられる.そこで本研究では,我が国の河川上流部に多く存在する河岸段丘と堤防に囲まれた閉鎖性氾濫原を利用して超過洪水時のみに機能する分散型遊水地を構想した.2019年に超過洪水が発生した阿武隈川の上流部10 km区間を対象に数値シミュレーションにより洪水調節効果を検討したところ,年生起確率1/40程度に対応する整備段階においても,基本方針に記載される1/150規模の計画高水流量に対して約15%のピーク流量低減率を期待できると考えられた.

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© 2022 土木学会
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