2023 年 29 巻 p. 133-138
本研究では,直轄河川における堤防点検(目視点検)の記録を分析した.①平常時の変状の経年変化と②大規模出水後に発生した変状に着目し,それぞれの特性を明らかにすることを目的とした.10年分の点検記録から,経年的な状態(評価)変化を分析したほか,出水前後の継続変状に着目し,出水後の状態変化についてセグメント毎に分類して傾向分析を行った.加えて,点検記録を発生要因別に再分類し出水の影響について関連性を分析した.①の分析より,出水のインパクトを受けても悪化方向に変化する変状は少なく,適切に維持管理が実施されていることが判明した.②の分析においては,出水で発生・進行するような変状の変化は目視で確認できるものではなく,工学的解析等の必要性が明らかになった.