2023 年 29 巻 p. 305-310
豪雨に伴う大規模洪水時に山地部から供給された大量の細粒土砂が,長い河道区間に大量堆積する事象の進行過程や発生条件を,直線水路を対象に調べた.実験から得られた成果:1)堰直上流等の掃流力が小さい区間に初期堆積し,水位せき上げ区間の延伸とともに,堆積区間が上流延伸する過程を経る.2)堆積の起点となる局所区間と区間全体のu*/w0が,各々の閾値を下回る場合に,上流延伸過程が生じる.3)堆積後河床は概ね一様勾配であり,その大きさは土砂濃度の影響を受ける.計算から得られた成果:4)堆積区間の河床が動的平衡勾配となるように堆積上流延伸過程していくと考えられた.5)氾濫に伴う河道内流量の減少が土砂の堆積厚を増大させ,やがて河道を埋塞していく可能性が見出された.