2023 年 29 巻 p. 479-484
2017年長野県裾花ダムにおいて,常用洪水吐き吞口近傍の土砂と沈木により,洪水調節用のゲートに操作不能が生じた.これは,1)吞口敷高まで到達した堆砂と,その堆砂面上に存在した沈木がゲート操作時にゲート開口部に引き込まれたこと,2)ゲートは土砂・沈木の流入を設計上見込んでおらず,外力増に対応できなかったこと,に起因する.本研究では,同事例を計画堆砂量(概ね100年分)を超過したダムにおける新たな貯水池堆砂・流木・沈木管理の課題と捉え,一連のリスクシナリオの要点整理および今後の技術課題の提示を試みた.さらに,現時点で得られた知見を踏まえ,他ダムも含めた同事例の再発防止・対策検討の水平展開に向けて,リスク管理フロー案を提示した.