2023 年 29 巻 p. 521-526
治水と環境の両立を目指した川づくりにおいて,沖積砂礫河川(Bb型)の自然に近い河床形態を創出・維持する手法の汎用性が課題となっている.本研究では,平成24年7月九州北部豪雨ではん濫し,流下能力確保のために河床掘削することとなった合志川で,同時に課題(二極化の抑制,河床環境の再生・保全,スレーキング現象の解消)の解決を図るように掘削形状,対策工の検討を行った.さらに,その施工区間の7~9年後の状態を検証することで妥当性を評価し,沖積砂礫河川の川づくりにおける汎用性を考察した.対象区間は交互砂州の形成区間で,水衝部の概ねの位置が特定できM型淵が形成されやすい湾曲部をもつ法線が連続する河道であった.そこで,この湾曲部を中心に上下流に流れを想定して,それに誘導すべく治水と環境の両面の河床対策となる水制工を設置することで川づくりのフィックスポイントを定めた.そこから想定した水路形態に対し,課題を踏まえながら河床の維持を図る対策工として瀬造成工,リブ型石出し工を設定した.この結果,現在に至るまで河床地形が安定するとともに課題の解消が図られている.