2023 年 29 巻 p. 85-90
近年,山地や市街地などを含めた水系一体でモデル化した洪水予測の運用事例が増加しており,これらの水位予測モデルの最適パラメータの探索にはSCE-UA法等の広域的探索手法が広く活用されている.その探索手法における再現精度の評価には,RMSEやピーク誤差等の指標が使われる事例が見られるが,それぞれの誤差の次元や取りうる範囲が異なるため,複数の誤差指標を均等に取り扱うことは難しい.そこで,複数の目的関数を評価する多目的最適化手法として,順位合成手法を提案した.また,洪水予測において継続的に精度向上を行うために,新たな経験洪水を取り込み,SCE-UA法を活用した追加学習手法を提案した.さらに,SCE-UA法の初期ポピュレーションの設定方法を工夫することにより,効果的に流出ハイドログラフの再現性を向上することが可能であることを示した.また,これらを実流域におけるRRIモデルを対象に適用し,有効性を実証した.