2024 年 30 巻 p. 131-136
ダム堤体の漏水量(浸透量)計測は,ダムの安全管理における最も重要な監視項目の1つであり,計測 値の時系列傾向を定期的に評価することでダムの長期的な安全性を確認している.昨今の大地震の頻発状況に鑑み,異常発生時の速やかな堤体安全性確認のための手法が求められており,今回の漏水量(浸透量)の常時監視結果に基づく異常の検知手法を提案するものである.
本検討では,フィルダムの漏水量(浸透量)を対象に,計測値をある確率分布にあてはめ,さらにハイブリッドフィルタを用いることで浸透量計測値の過去の時系列傾向から逸脱した挙動を速やかに検知する手法を検討した.検討した結果,ハイブリッドフィルタの推定精度および有用性が確認できた.浸透量の実測データに対して倍率(𝜆2)を用いることで異常な挙動の早期検知が可能となった.