2024 年 30 巻 p. 167-172
越水した場合でも決壊しにくく,堤防が決壊するまでの時間を少しでも長くするなどの減災効果を発揮する粘り強い河川堤防の技術開発が進められている.その構造のひとつである二重式鋼矢板構造のコアを設置した堤防を対象に,実大スケールの水理模型実験を行った.その結果,越水によって,川裏側地盤の洗掘の進行や,堤防内の間隙水圧の上昇が生じることで,コア部が傾倒していく破壊プロセスが観察された.その過程において,矢板壁の変位の増加等により生じた,川裏側矢板壁とコア部盛土との間の間隙の発生を期に,コア部の傾倒が大きく進行し始めることを確認した.