抄録
【目的】米飯の粘りは主要な食味構成要因であり、炊きあがった米飯の粘りが多いほど食味が良いとされる。米粒外層部に含まれる呈味物質は炊飯中の残存液に一旦溶出するが、再び付着しおねばとなり、米飯表面のつや、粘り、食味に影響を与える。本研究は、炊飯残存液中の溶出固形物が食味と相関関係がみられることに着目し、炊飯残存液の粘度特性に米飯品種間で差異がみられるかを検討した。
【方法】試料米は新潟産コシヒカリ、秋田県産あきたこまち、滋賀県産日本晴、北海道産きらら397およびユキヒカリ、タイ米の6品種を用いた。食味値の推定には(株)T社トーヨー味度メーター(M90B)および(株)S社ライスアナライザー(RQ1)を使用した。炊飯方法は竹生らの変法を用い、電気炊飯器で自動炊飯を行い、炊飯中に釜内の温度が40℃、70℃、100℃(0、5、10、20分)に達した時の炊飯残存液を用いて、(株)T社回転粘度計(RE80型)を使用し、25℃恒温下で測定した。
【結果】いずれの残存液においても、炊飯中40℃から100℃(0分)までのみかけの粘度の変化は小さく、降伏値は出現しない。しかし、100℃(5分)以降に非ニュートン係数は急激に高くなり、Casson降伏値も顕著に増大した。とくに味度値の高い米ほど他の米と比較し、100℃(5分)以降の非ニュートン係数が高く、非ニュートン指数が低く、100℃(20分)で急激に降伏値が上昇する傾向がみられた。