2024 年 30 巻 p. 293-298
全国の扇状地河川の中には,河床の砂礫層厚が薄いために河床砂礫が流失し,基盤にある土丹(固結度の低い泥岩)が露頭している河川がある.固結度が低い露頭土丹が侵食を受けると流路が形成される.形成された流路の河床を砂礫が移動することで侵食が加速化し,同時に流路の固定化が進むなど,自励的に侵食が進行していく.こうした河道の状況を改善し,管理し続けられる持続可能な河道に戻すことは,必要かつ重要な技術である.多摩川では,こうした観点から10年前に河道是正工事が行われ,その後,中小規模のみならず計画規模相当の洪水も経験した.こうした技術の確立に向け,多摩川での洪水流に対する是正河道の応答とその復元機構を明らかにし,効果と課題を分析整理し,改善策を示した.