2025 年 31 巻 p. 175-180
浦上ダム再生において進めている貯水池掘削について,現地での制約条件と課題および技術的特徴を示すとともに,現時点における工事の実施状況を紹介し,考察を試みた.約50万m3の必要掘削量を確実かつ継続的に掘削する目標に向けた課題としては,必要掘削量に応じた掘削形状の設定,貯水位を維持した状態での水中掘削や水質への影響軽減を図る工法の選定,効率的な掘削土の改良等が可能な仮設ヤード設置が求められ,これらの課題に対応した貯水池掘削の技術的特徴を報告した.併せて,近接する住宅地にも配慮しつつ進めている仮設ヤードの整備状況等についても報告した.得られた成果として,浦上ダム再生における貯水池掘削については,貯水池の利水機能を維持した条件下で工事を実施していく目途が立ち,気候変動への適応に向けて,各地のダム再生を推進する一助になればと考えている.