2025 年 31 巻 p. 397-402
近年の気候変動により,極端な気象現象の頻度や強度が増大し,水害リスクの評価も難しくなっている.特に都市部の中下流域では,人口密集地域や重要な社会基盤が集中しており,水害による影響が甚大となる可能性が高い.このため,より精度の高い水位予測と迅速なリスク対応に加え,治水計画や高潮対策を含む流域治水の取組みなど,ハード・ソフト一体となった防災・減災対策の重要性が増している.本報では,荒川中流域の河川工事現場において,RRIモデルと降水量予測の不確実性を考慮するためにMEPSデータを利用したリアルタイム水位予測システムを構築し,現場試行を行った.試行の結果,24時間前に退避基準水位に達する予測が可能であり,退避行動の判断に資する性能を示した.これにより,工期短縮が求められる出水期の工事におけるリスク軽減に貢献できる可能性が示唆された.