2025 年 31 巻 p. 91-96
床止・魚道施設における魚類の遡上行動解析では,現地でのトラップ調査等の現地モニタリング調査が多く実施されている.一方で,数値解析により事前に魚類の遡上性能を実河川において評価・検討した事例は少ない.本研究では,魚類の遊泳・遡上行動の数値解析によるシミュレーション手法開発と,床止・魚道施設における遡上機能の評価手法開発を目的として,床止・魚道内における現地遡上調査を基に,数値解析(iRIC-GELATO)による遡上経路再現を試みた.対象魚はサケ科魚類(サケ)とし,遡上経路はバイオテレメトリー調査結果を基に設定した.検討の結果,河川流況を精度良く再現できる物理モデルと,最小限の遊泳条件を与えることで,遡上経路を概ね再現することができ,本手法が魚道の遡上性能を定量的に評価する手法として有効であることを証明した.