2026 年 32 巻 p. 235-240
ダム堆砂は貯水機能低下のみならず様々な環境問題を引き起こす.そのため各地にて河川下流へダム堆砂の土砂還元(置土)を促しているが,置土が流されず残留する問題が発生している.流されやすい土砂還元に適した置土の土質状態を検証するために,不飽和状態の置土の水理模型による侵食実験を実施した.置土模型の侵食による底面積の変化を画像解析により定量的に評価することで,細粒分(シルト含有率,粘土分含有率),含水比,乾燥密度の変化が置土の侵食性に及ぼす影響を検証した.実験の結果,置土の侵食されにくさは,粘土分含有率に最も強く影響され,シルト含有率はほとんど寄与しないことが得られた.さらに,乾燥密度が侵食のされにくさに影響を及ぼすが,その影響度合いは,粘土分に依存すること,締固めに用いる含水比の範囲では,置土の含水比が大きいほど侵食されにくくなることが得られた.得られた結果から適切な置土の土質や施工条件を考察した.今後は流砂挙動への影響を検証予定である.