抄録
避難訓練は、代表的な防災訓練の1つである。教育機関においても、児童生徒が参加して度々実施されているが、その内容については、リアリティの欠如や、実効性に対する不安などが議論の
対象となっている。本論では、避難訓練において、避難誘導を実施して児童生徒の安全確保に努
める教職員を対象とした教育プログラムの設計を検討した。ボトルネック・ベルトと呼ぶ疑似的
に災害時の避難する群集を模倣する資機材を作製し、教職員が児童生徒の視点で避難時の危険を
体験することで、効果的な避難誘導の手法を学習できることを目標とした。設計された教育プロ
グラムの実施結果からは、受講をした教職員らが災害時の避難行動の困難さを体験し、また、避
難誘導の要点を学習できたことが判明した。