本研究の目的は,地域スポーツ発展のためアスリートにおけるパフォーマンス推移の分析から現状課題を明らかにして,今後のサポート体制構築について考察することであった.分析対象は広島陸上競技協会が1955-2020 年に集計した男子100m 走のランキングデータ660 個であり,年代や年齢を基に区分してパフォーマンス推移の詳細を分析した.その結果,タイムは11.59 ± 0.25s(1955s),10.90 ± 0.21s(1990s),10.72 ± 0.12s(2015s)と時代と共に向上していた.しかし,実質的には1990s までは向上していたが1995s 以降のタイムに有意差はなく停滞していた.また,ランキングを構成する年齢の中心は高校生(55.4%,1955-1990 年)から大学生(50.8%,1995-2020 年)に移行していた.ランキング獲得回数から推測できたパフォーマンス維持の年限は3 年間から4 年間と短いことが課題と言え,今後は社会人アスリートでも競技を継続できるようなサポート体制の構築が必要だと考えられる.