スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
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選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ステップ頻度に着目して
    内藤 景, 堤下 凌, 山元 康平
    2022 年 14 巻 p. 13-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/05
    ジャーナル オープンアクセス
    電子付録
    本研究の目的は,110mH走を専門とする学生競技者1名を対象に,アプローチ区間の1歩毎のステップ頻度,接地時間,滞空時間に着目して,アプローチ区間タイムの変動に関係する要因を単一事例で検証することであった.110mH走の規格でハードルを3台設置したハードル走を複数回実施し,アプローチ区間における1歩毎のステップ頻度,接地時間,滞空時間の変化を調べ,アプローチ区間に要したタイムと1歩毎のステップ頻度,接地時間,滞空時間との相関関係を分析した.その結果,アプローチ区間タイムと1歩毎のステップ頻度の相関関係は,5歩目のステップ頻度のみ,有意な負の相関関係(r=-0.638,p=0.008)が示された.また,5歩目のステップ頻度と滞空時間との間に有意な負の相関関係(r=-0.718, p=0.002)が示された.さらに,アプローチ区間タイムと踏切側距離との間に有意な負の相関関係(r=-0.607, p=0.013)が示された.以上の結果から,アプローチが8歩で5歩目のステップ頻度が重要であることから,踏切3歩前において,滞空時間を短縮しステップ頻度を高めることが,1台目の踏切位置を遠くすることに関係し,アプローチ区間タイムの短縮に繋がる可能性が示唆された.
  • 細川 史裕, 岩野 華奈
    2022 年 14 巻 p. 27-38
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/04
    ジャーナル オープンアクセス
    スポーツ選手は日常的に多くの時間を充て,スキル獲得を目指している.本研究では,競技チアリーディング日本トップ選手における,スキル獲得の要因について明らかにした.調査対象者は,競技チアリーディングの現役日本人女子選手で,所属チームにおいて全国大会での優勝経験を持ち,且つ世界選手権の日本代表に選出され優勝した経験がある7 名とした.1 対1 の半構造化インタビューによって収集されたデータは,質的データ分析手法SCAT を用いて分析された.その結果,15 個の概念を生成し, 最終的には,目標の明確化や動機の内在化といった「認知的方略」,練習の質や量といった「練習の内容」, 基礎スキル練習や専門トレーニングによって獲得された「スキルの転移」,フィードバックや分析から得られる「選手としての学び」によって,スキルを獲得していた.
  • 吉本 隆哉, 杉田 早登, 竹内 郁策
    2022 年 14 巻 p. 39-44
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    電子付録
    本研究では,ハンマー投げを模したスイングトレーニングが,外側腹筋群の形態とスイング速度に与える影響を明らかにすることを目的とした.被検者は,大学硬式野球部に所属する野手17名(年齢19.5 ± 1.5歳,身長169.8 ± 4.0 cm,体重66.9 ± 6.4 kg)とし,トレーニング群8名とコントロール群9名に分けた.スイング速度の測定は,慣性センサユニット,アタッチメントおよびスマートフォンのアプリケーションから構成されるバットスイング解析システムを用いて測定した.加えて,踏み出し脚側の外側腹筋群(外腹斜筋,内腹斜筋および腹横筋)の筋厚を測定した.トレーニングは,5 kgメディシンボールとネットを組み合わせたものを用い,ハンマー投げのトレーニングを模した上肢および体幹を回旋させながら歩行するスイング歩行を実施した.その結果,スイング速度は両群間で有意な交互作用が認められ,トレーニング群のみ有意な増大がみられた.以上のことから,ハンマー投げを模した体幹回旋トレーニングは,野球のバッティングにおけるスイング速度の向上に有効となることが明らかとなった.
  • バタフライと平泳ぎでのopen turnに着目して
    森 誠護, 永田 聡典, 名頭薗 亮太
    2022 年 14 巻 p. 60-67
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,バタフライ及び平泳ぎで用いるopen turnに着目し,ターン動作とジャンプパフォーマンスとの関係性について明らかにすることで,競泳選手の効果的なトレーニング方法の基礎資料を得ることを目的とした.本研究は,バタフライ及び平泳ぎを専門とする大学男子競泳選手8名を対象とし,競泳ターン測定はopen turnにて実施した.被験者の泳区間はターン前後10mとし,全力泳にて泳動作及びターン動作を実施した.被験者のターン動作を評価するため,ターン動作時の回転時間,足部接地時間,蹴り出し速度をそれぞれ計測した.ジャンプパフォーマンス測定では,スクワットジャンプ,垂直跳び,立幅跳びを計測した.この結果,ターン測定とジャンプパフォーマンス測定の変数間での関係性において,ターン時の蹴り出し速度とスクワットジャンプにおけるピークパワー(r=0.857,p<0.01)及びピーク速度(r=0.805,p<0.05)との間に有意な相関関係が認められた.以上の結果から,スクワットジャンプのピークパワー及びピーク速度を高めるためのトレーニングはターン局面のパフォーマンス向上に寄与する可能性があることが明らかとなった.
  • 中島 大貴, 畔栁 俊太郎, 安藤 優香, 廖 本暠, 山口 瑞生, 桜井 伸二
    2022 年 14 巻 p. 1-12
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/01/28
    ジャーナル オープンアクセス
    野球において,投手が投じる変化球は,“キレ”という言葉を用いて評価されることが多い.しかし,このキレに対して野球選手がどの程度共通した認識を持っているのか,また,それは客観的な指標(速度や変化量などの運動学的特徴)で表すことができるのかは明らかではない.そこで本研究では,①野球投手が投じた変化球に対する評価者のキレの評価の一致度を検証すること,②そのキレの評価と実際に投球された変化球の運動学的特徴との関係を明らかにすることを目的とした.そのために,高校生投手12名,大学生投手20名が投じた各球種の運動学的特徴を調べ,高校生,大学生それぞれ投手と同一チームに所属する複数の捕手(評価者)に各投手の各球種のキレを5段階で評価させた.そして,評価者間のキレの評価の一致度,および,キレの評価とその運動学的特徴との関係を,高校生,大学生それぞれにおいて調べた.その結果,キレという言葉に対する認識が一致している球種と,そうでない球種があることがわかった.また,カーブ,カットボールにおいては,ボールの運動学的特徴でキレを定量化することができたが,スライダーやチェンジアップにおいてはできなかった.
  • 中島 さち子, 田中 香津生, 清水 克彦, 山田 浩平, 山羽 教文
    2022 年 14 巻 p. 45-59
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,小学校「体育」で取り扱うゴール型ボール運動「タグラグビー」の新たな学習指導計画として,プログラミング的思考をとりいれた,STEAM化されたタグラグビーの学習指導計画を開発し,その学習効果を調査することである.まずは,タグラグビーを数理モデル化した碁盤ゲームを開発し,局面での認知・判断要素を抽出したAIシミュレーションツールを開発,スポーツにプログラミング的思考を導入し,多角的に戦術を考えさせる計9時間の学習指導計画を立案した.その後,公立小学校第5学年2クラス計52名を対象に本学習指導計画を実施し,事前事後の児童のライフスキルやパフォーマンスの向上,学習や運動への態度の変化,情意や認知の形成などを調査した.結果,タグ取得数やパス回数の有意な増加 (p<0.01),問題解決力や対人関係力などの有意な向上 (p<0.05) などパフォーマンスやライフスキルの向上が見られた.従って,本学習指導計画は,平成29年公示の小学校学習指導要領 (文部科学省,2018a) にて奨励されているプログラミング的思考を用いた教科等横断的な学習指導計画の一例であり,体育でも学習効果があると示唆された.
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