チアリーディング競技のバスケット・トス技には,「後方かかえ込み宙返り」や,より難易度の高い「後方かかえ込み宙返り開脚姿勢入れ(以下「エックスアウト」とする)」がある.そして,さらなる高難度技として「エックスアウトにひねりを加えた技」がある.これらの技における習得過程は,「後方かかえ込み宙返り」から「エックスアウト」,さらに「エックスアウトにひねりを加えた技」のように,難易度の低い順が一般的となっている.本研究は,指導現場での一例としてチアリーディングの熟練トップポジション選手1 名を対象に,「後方かかえ込み宙返り」と「エックスアウト」の運動自己観察をまとめ,モルフォロギー的観点から比較考察をした.そして,「後方かかえ込み宙返り」から,「エックスアウトにひねりを加えた技」を可能とする「エックスアウト」を習得するための知見を得ることを目的とした.その結果,引き上げ局面,あふり局面,ひらき局面,入れ局面において運動差異がある可能性を示すことが出来た.