2022 年 14 巻 p. 277-285
本研究は,セット間に行うスタティックストレッチング (SS) が,多関節エクササイズ ( バックスクワット) における複数セットの力発揮および柔軟性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.健康な成人男性7 名に対し,12 回× 4 セットのバックスクワットのセット間に,殿筋群,大腿四頭筋へ各30 秒間のSS を実施した.そして5 セット目として実施した疲労困憊に至るまでのバックスクワットの回数と,試行前後の柔軟性を測定した.その結果,セット間に安静を保つ対照条件と比較して,5 セット目の挙上回数が増加し,試行前後の柔軟性も維持された.したがって,バックスクワットにおける複数セットのセット間に行うSS は,トレーニング効果を向上させる可能性が示唆された.