スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
バトルロープを用いた高強度インターバルトレーニングがカヌースプリント・男子カヤックシングル200m 全力漕パフォーマンスに及ぼす効果
橋沼 新中村 夏実
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電子付録

2023 年 15 巻 p. 164-175

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抄録

バトルロープ(BR)振り(オルタネイトウェイブ・ダブルウェイブ)による高強度インターバルトレーニング(HIIT)が,男子カヤックシングル200 m全力漕パフォーマンスに及ぼす効果を検討した.対象選手は,大学男子カヌースプリント・カヤック選手1 名であった.HIIT は,BR 振りを20 秒実施し,30 秒の休息を挟んで5 本繰り返すことを1 セットとし,10 分のセット間休息を挟んで2 セット実施した.実施回数は計8 回(2回/ 週,4 週間)であった.HIIT 期間前後で3 本ずつ200 m 全力漕を実施した.その結果,HIIT 後に200 m タイムは約2 秒短縮し,全力漕後の血中乳酸濃度は顕著な高値を示した.また,スタート局面では,1 ストロークの推進距離(DPS)が増大し,フィニッシュ局面では,DPS が短縮されずに高いストローク頻度(SR)が発現した.また対象選手は,強くBR を振る運動が,水上パドリングにおける強いキャッチに好影響を及ぼした感覚をもち,HIIT 終了後の全日本学生選手権大会カヤック200m で優勝した.これらのことから,BR 振り運動によるHIIT は,カヤックシングル200m 全力漕のパフォーマンスに好影響を及ぼす可能性が窺えた.

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© 2023 日本スポーツパフォーマンス学会
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