2023 年 15 巻 p. 176-185
現在,ダンス動画によりダンスを習得する学習スタイルが拡大し,今後も継続していくと予想される.そこで本研究では,ダンス動画を活用したストリートダンスのより効果的な指導者の伝達方法や指導の順序を明らかにするため,ダンス動画を用いたストリートダンス指導における伝達方法の違いが動作習得過程に及ぼす影響を検討した.ポップダンスの要素を含み創作した振付(8 カウント× 4)を4 つの手法(言語のみ,オノマトペのみ,言語とオノマトペ,カウントのみ)で指導する動画を撮影・編集し,指導対象者20 名を4 グループに分けて,それぞれのグループで視聴・練習をし,3 回の動画撮影を行い,そのダンス技能について評価を行った.その結果,初見の動きを指導する際に,はじめから「言語とオノマトペ」を用いて指導した場合,学習者にとっては情報過多となってしまった可能性があるのではないかと考えられ,学習者が初見でダンスの動きを習得する際には,最初からひとつひとつの動きの詳細を確認しながら学ぶよりも,まずは大まかな振付を覚え,その後に動きひとつひとつの詳細について指導を受けていく順序性で実施した方が,より効率的である可能性が示唆された.