スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
下肢の筋力トレーニングがハイクアウトの継続時間に及ぼす影響:
1名のセーリング選手を対象とした事例的な検討
笹子 悠歩真鍋 優榮樂 洋光
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キーワード: ヨット, 風上帆走, 艇速
ジャーナル オープンアクセス

2023 年 15 巻 p. 44-53

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抄録

下肢の筋力トレーニングが,ハイクアウトの継続時間に及ぼす影響について,事例的に明らかにすることを目的とした.対象者はハイクアウトの継続時間に課題があると考えられた大学セーリング選手1 名とし,デッドリフト,スクワット,カーフレイズの3 種類を,80%1RM の強度にて,10 回× 3 セットを週に2 日,3 ヶ月間実施した.トレーニング効果の測定は,ハイクアウトベンチを用いたハイクアウトテストに加え,各トレーニングの最大挙上重量,およびウィンゲートテストとシャトルランを行った.その結果,デッドリフトは5.7%,スクワットは18.5%,カーフレイズは4.9% 向上し,ウィンゲートテストは,平均パワーが6.7% 向上した.また狙いとしたハイクアウトの継続時間は,pre では65 秒であったものが,post では114 秒(変化率:75.4%)となり,国際レベルの選手の値(114 秒)と同程度の水準まで向上した.以上のことから,下肢の筋力トレーニングにより,ハイクアウトの継続時間が改善する可能性が示唆された.

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© 2023 日本スポーツパフォーマンス学会
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