スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
15 m 後半の競技記録を有する大学男子三段跳競技者がステップ距離の増大を目指した動作改善の取組:
ボックスを活用した自由脚の振込動作の改善により積極的着地を導いた事例
小森 大輔 岩﨑 孝史吉塚 一典
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2023 年 15 巻 p. 307-319

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抄録

本研究は,15 m 後半の競技記録を有する大学男子三段跳競技者がステップ距離を増大させるために,ボックスを活用した自由脚の振込動作の改善により積極的着地を導いた事例を提示するものである.取組前後の競技記録は,取組前が15.81 m(+0.1),取組後が15.82 m(+0.6)となった.また,これらの試技の各跳躍歩の距離および跳躍比率はほとんど変わらなかった.しかし,取組前後の上位3 試技を比較すると,ステップの跳躍距離および跳躍比率は,取組後が取組前の最高値(4.32 m(27.3 %))を全て上回っていた.取組前後における動作の違いは,積極的着地を開始するタイミングで,自由脚の下腿が地面と平行に近い位置かどうかであった.取組後は,自由脚の下腿が地面と平行に近い位置から振込動作が遂行され,ステップ踏切が改善された.以上のことから積極的着地を導くには,踏切直前に両脚を挟み込むだけでなく,挟み込みを開始するまでの自由脚の準備姿勢も適切につくることが重要な視点の1 つとなる可能性が示唆された

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© 2023 日本スポーツパフォーマンス学会
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