抄録
本研究の目的は,CHU-Test パフォーマンスとサッカーの試合で行われる高強度加速回数および高強度減速回数との関係を検討することであった.対象者は,19.3 ± 0.9 歳の大学生男子サッカー選手16名であり,GPS デバイスを装着してCHU-Test およびサッカーの試合を行った.CHU-Test およびサッカーの試合で取得されたGPS データから,高強度加速(3m/s2 以上)および高強度減速(-3m/s2 以下)の回数を把握した.CHU-Test パフォーマンスは,17.9 ± 3.1 回であった.サッカーの試合で行われた高強度加速回数は51.6 ± 16.0 回,高強度減速回数は41.0 ± 12.0 回であった.CHU-Test パフォーマンスは,サッカーの試合で行われたフルタイムでの高強度加速回数との間にr=0.83,高強度減速回数との間に r=0.65 のそれぞれ有意な相関係数が確認された(p<0.05).また,CHU-Test パフォーマンスは,試合で高強度加速回数あるいは高強度減速回数が最も多かった5 分間(ピーク5 分間)で行われた高強度加速回数(r=0.74)および高強度減速回数(r=0.52),試合最後の15 分間(ラスト15 分間)で行われた高強度加速回数(r=0.82)との間にもそれぞれ有意な相関係数が確認された(p<0.05).これらの結果から,CHU-Test パフォーマンスはサッカーの試合で行われる高強度加速回数および高強度減速回数を反映することが明らかになった