スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
長期間の活動制限下における心理特性とパフォーマンスの関係:
競泳選手を対象として
工藤 慈士 草薙 健太杉山 佳生
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 16 巻 p. 26-35

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抄録

本研究では,社会情勢による長期間の活動制限下において競泳選手の心理的特性ならびに競技レベル別での心理的スキルの差異を検討することを目的とした.対象者の選定は大学競泳選手118 名ならびに大学院生を含む社会人競泳選手14 名とし,社会情勢による長期間の活動自粛前に日頃からトレーニングを積んでいる者を対象とした.対象者に対して基本属性,心理的パフォーマンスSE,DIPCA.3,自己信頼度尺度の回答を求め,性別および競技レベル別での比較を検討した.回収した回答を集計しt検定,一元配置分散分析を実施した.その結果,男女間でリラックス能力と自信は男性の方が高い得点を示していることが明らかになった.また,国際大会,全国大会,地方大会出場の3 群に分類した一元配置分散分析を実施したところ,自己コントロール能力SE では,国際大会と地方大会で有意な差が認められ,作戦能力SE と精神の安定・集中で有意な差が認められ,いずれも国際大会が高かった.以上の結果から,社会情勢の影響によるスポーツ活動制限は男女ならびに競技レベルで心理的スキルが異なる傾向が示唆された

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© 2024 日本スポーツパフォーマンス学会
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