スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
短距離走の疾走動作に関するシステマティックレビュー:
初心者および陸上選手の支持脚の股関節角度,膝関節角度に着目して
西村 三郎 木野村 嘉則
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 17 巻 p. 186-203

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抄録
本研究では,短距離走の疾走動作を分析した先行研究をレビューすることを通して,初心者から競技者まで幅広く支持脚の疾走動作の特徴を明らかにすることを目的とした.国内外の三つの検索エンジンを用いて,英語および日本語で執筆された初心者および陸上選手を対象に短距離走の中間疾走局面の支持脚の疾走動作を分析した先行研究を収集し,股関節および膝関節角度の平均値や群間比較の結果を集約した.主な結果は以下の通りである.接地時の股関節角度は,陸上選手は初心者よりも大きい傾向が見られた.支持脚の最小膝関節角度は,初心者では疾走速度の高い者ほど大きく,疾走速度の高い初心者は,疾走速度の低い陸上選手と同程度の値を示した.離地時の膝関節角度は,初心者では疾走速度の高い者ほど大きく,陸上選手では疾走速度の高い者ほど小さかった.支持脚の膝関節の屈曲角変位は,疾走速度の高い初心者は世界一流短距離選手と同程度の値を示した.
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© 2025 日本スポーツパフォーマンス学会
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