抄録
本研究は,女子V リーグを対象に攻撃状況をインシステム(以下,IS)とアウトオブシステム(以下,OoS)に分類し,それぞれの攻撃状況におけるレフトからのレセプションアタックの成否に関わる要因を明らかにすることを目的とした.その結果,どちらの攻撃状況においても攻撃強度が最も成否に寄与することが明らかになり,さらにIS においてはブロック枚数,OoS においてはトス種類,攻撃位置がレセプションアタックの成否に寄与することが明らかになった.カテゴリースコアから詳細にカテゴリー別の貢献度を見ると,どちらの攻撃状況においても,攻撃強度の軟攻が負の値を示していたことから(IS:-1.951, OoS:-1.192),いかなる攻撃状況においても強打することを目指しながら,強打が難しい状況下においても,相手チームが攻撃しにくく,自チームが次のラリーを優位に展開できるような返球を行うことが必要になると考えられる.さらにIS においてはブロック枚数を少なくすることが決定に貢献し,OoS においてはオーバーハンドを用いてトスを上げ,スロット1 およびスロット2 から攻撃することが決定に貢献することが明らかとなった.