抄録
本研究では,第18 回全日本テコンドー選手権東日本地区大会および第18 回全日本学生選手権大会を対象に,技術と戦術の分析を通じて日本の選手の特徴を明らかにすることを目的とした.結果として,選手は前回し蹴りや横蹴りなど実行が容易で成功率の高い技を多用する傾向があり,高難度技術は使用頻度が低いものの得点ポテンシャルが高いことが示された.迎撃戦術は高い得点効率を示し,反撃戦術も特定の場面で有効であった.勝者は技術の連続性に優れる一方で,打撃力不足が課題として浮上した.また,中段技術の使用頻度は高いが成功率は低く,上段技術は特に踵落とし技術で高い得点効果を発揮することが確認された.本研究は,高難度技術や迎撃戦術の強化と,技術の連続性および打撃力の向上が今後のトレーニングで重要であることを提案する.