2023 年 45 巻 3 号 p. 200-212
本研究は,ニューカマー在日コリアン高齢者15人にインタビュー調査を行い,日本地域社会で生活するなかで抱える困難と,その困難を乗り越えるため用いた手段を調べて社会福祉サービスアクセスの阻害要因を検討した.質的データ分析法によって分析した結果,困難として【言語の壁による困難と不安】【在留資格に関する不安と困難】【健康上の問題による困難と不安】【不安定な経済的状況による困難】【人との貧弱なつながりによる孤立】【他国に居住する外国人として抱える心理的不安と困難】が確認された.困難を乗り越える手段には【知り合いの支えと助け】【韓国人福祉関連職の相談と助け】【地域の行政・病院の助け】があった.結果に基づき考察を行い,アクセスの阻害要因としてコミュニケーション問題による情報へのアクセス困難,不十分な相談支援体制,在日コリアン高齢者の認識と地域社会との弱いネットワークを示し,必要な資源を提言した.