老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
中高年ひきこもり者が再び社会とつながるまでの過程
山崎 幸子宇良 千秋岡村 毅
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2023 年 45 巻 3 号 p. 213-224

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抄録

 中高年ひきこもり者が,再び社会とつながるまでの過程を明らかにすることを目的とした.対象者は中高年ひきこもり経験者3人であった.各調査対象者には,1回90分程度の半構造化面接を2回ずつ実施した.調査内容は,ひきこもりのきっかけやひきこもり中の生活,支援機関につながった経緯などであった.分析には複線径路等至性モデル(TEM)を用いた.分析の結果,対人不安がひきこもり生活に影響し,社会規範や家から外に出したい親の意向を受けつつも,外に出られない葛藤が認められた.この長いひきこもり生活において再び社会とつながるための意識の変容には,自分や親に対する老いの気づき,親から支援の限界を明言されるなど,中年期の課題が転機となって作用することが示された.当事者がこのような気づきを得た機会を取りこぼすことなくスムーズに支援が実施できるよう,支援者とのゆるやかな関係を継続し続けることが重要であると示唆された.

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© 2023 日本老年社会科学会
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